「徹悟禅師語録」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:29時点における最新版
てつごぜんじごろく/徹悟禅師語録
上・下二巻。清・徹悟の語録。嗣法門人了亮、了梅、了如等が徹悟の語録・法話などを編集したもの。上巻には徹悟自らの序文の他に、誠安の序文と心雨の「念仏伽陀」の序文の後、「示衆普説」一篇を収め、下巻には般若・華厳・楞伽・金剛などの諸経の要義・跋・書簡等を収めている。このうち、上巻の「示衆普説」と下巻の「念仏伽陀教義百偈」には彼の浄土思想がよく表れており、後世にも影響を与えた。後の印光(中国浄土教一三祖)の『印光法師文鈔』にも「示衆普説」の要旨と「念仏伽陀教義百偈」の全文が収録されている。本書の主旨は大乗仏教の教理をおさえながら、阿弥陀仏を信じ、称名念仏の行による極楽浄土への往生を勧めることで、中でも「憶仏念仏」は最も重要な行門であるとしている。また、徹悟は念仏門を、大乗仏教によく一致しているのみならず、衆生の妄念を抑え、真実の仏性をあらわせるという点から、すぐれた修行門だと考えていたということも知ることができる。本文では『観経』『無量寿経』『阿弥陀経』等の経典のみならず、永明延寿の四料簡なども引用しつつ、浄土門がすぐれていることを説いている。
【所収】続蔵六二
【参照項目】➡際醒
【執筆者:肖越】