りょうけん/料簡
慮りえらび取ること。えらび分けること。あるいはよく考えること。例えば『観経疏』に「七門を作して料簡し」(聖典二・一六一/浄全二・一下)とあるのはその一例である。また和語としては考えや意見といった意味もある。例えば『四十八巻伝』二九で、平基親が「基親は、只、平に本願を信じて、念仏を申し候なり。料簡も才学も候わざる故なり」(聖典六・四五六)と記した手紙を法然に送ったとあるが、ここでの料簡はそれにあたる。なお臨済は四料簡を説き、日本天台では経文の会通を料簡という。
【執筆者:石田一裕】