「弾誓上人絵詞伝」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:28時点における最新版
たんぜいしょうにんえしでん/弾誓上人絵詞伝
二巻二冊。宅亮撰。明和四年(一七六七)刊。古知谷阿弥陀寺開山弾誓の行状を絵と詞書で示した伝記。弾誓は、白衣・乱髪垂肩の異相の山居念仏修行者として知られる。宅亮の跋文によると、弾誓の一五〇回忌に当たり、伝記行状が忘れ去られようとしていることを慨嘆して刊行したものであり、諸寺の旧記を探り、正確を期そうとする姿勢がみられる。内容は、上巻では生誕、出家、その後美濃・京都等の霊場を巡って、檀特山で弾誓経を感得し、佐渡に渡って日蓮宗徒を教化し、信濃・甲斐に念仏道場を建立し、やがて江戸に入り幡随意と七日間法談したことが記されている。下巻には、相模国小田原城主大久保忠隣の帰依を得て相模国塔ノ沢に阿弥陀寺を開き、さらに遠江・尾張を教化し、洛北古知谷に阿弥陀寺を建立したこと、神道の秘伝、葷酒の戒文、三国授生の事績、山内不出の三秘事のこと、門弟のために七三箇条の制誡を示したこと、また石見国坂崎織部正の家臣大井伝蔵が死罪を免れた名号霊験のこと、安土宗論で有名な貞安との交友のことなどが記されている。
【所収】浄全一七
【参照項目】➡弾誓
【執筆者:𠮷水成正】