「総安心・別安心」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:28時点における最新版
そうあんじん・べつあんじん/総安心・別安心
良忠の『観経疏略鈔』一に「菩提心を総安心と為し、三心を別安心と為す」(浄全二・四四三上)とあり、安心を総・別という切り口で解釈する。別安心は、「べったんじん」とも読む。一般に、安心とは心が落ち着いた状態で心配などのないことをいい、仏教では、信仰や修行により到達する心の安らぎ、いわゆる不動の境地を意味する。聖道門では禅定による精神集中(観心、止観)で得られるとするが、浄土門では阿弥陀仏の本願に乗じ、その救いにあずかるときに得られるとする。良忠は安心について、通仏教的立場からは菩提心を指すといい、浄土宗的立場からは三心を指すという。明恵は『摧邪輪』において法然の菩提心の捉え方について批判しているが、良忠は安心の解釈に菩提心を取り込むことで、浄土宗としてこの問題を解決しようとしたと考えられる。
【執筆者:伊藤真宏】