「観音補処」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:21時点における最新版
かんのんふしょ/観音補処
観世音菩薩が阿弥陀仏の入滅後、その仏の位処を補うこと。『平等覚経』三、『大阿弥陀経』上によると、阿弥陀仏が般泥洹(入滅)すると蓋楼亘(観世音)菩薩が仏となり衆生を教化すると説かれている。また『観音授記経』にも阿弥陀仏入滅後、観世音菩薩が七宝菩提樹のもとで正覚して普光功徳山王如来と号することを説き、『悲華経』三にも遍出一切光明功徳山王如来と号することを説いている。浄影寺慧遠や智顗等の諸師は、阿弥陀仏入涅槃説をもって阿弥陀仏を応身としたが、道綽は『安楽集』において、報身である阿弥陀仏は五種の相の一つである隠没の相を示現したのであって滅度したのではないと示している。
【資料】『平等覚経』三(浄全一・八三下)、『大阿弥陀経』上(浄全一・一二二上)、『観音授記経』(正蔵一二・三五七上)、『悲華経』三(正蔵三・一八六下)、『安楽集』(浄全一・六七六下)
【参照項目】➡阿弥陀入滅
【執筆者:瀧沢行彦】