「大五重大意」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:21時点における最新版
おおごじゅうたいい/大五重大意
岸覚勇著。昭和四七年(一九七二)九月、記主禅師鑽仰会刊。同四三年から翌四四年にわたり、増上寺と知恩院にて計三回行われた大五重の講義録。同四三年九月に開講された増上寺では本別口伝五五箇条、同四三年一一月、四四年一一月に知恩院では本伝五〇箇条の講義が行われた。講題は、同四三年が「大五重伝目について」、四四年は「古式伝法—五十五箇条—」である。この講義では、聖冏の『五重指南目録』による本口伝五〇箇条・別口伝五箇条について、『五重口伝鈔』をはじめ『五重聞書』『大五重選定略鈔』『五重拾遺抄』などの古徳の伝書によって講義され、本書では伝目内容を図に示して明解に記載されている。また、二重では璽書の口伝をも記しているが、「本書全体が秘書であるから、後世宗侶の廃忘を恐れて敢えてその大意を記すことにした」(七二頁)と、記載された所以が述べられている。また、善導の夢中来現と、良忠相伝の『授手印』袖書の要偈とを結び付けた伝法要偈伝授は聖冏の創意であり、一宗相伝上、権威化したとされている。さらには、聖聡・酉仰当時は口伝で伝えられていたものを、見誉善悦頃から、その詳細が記録されるようになったと述べられているのは特記すべきことである。
【参照項目】➡五重大会勧誡講録
【執筆者:西城宗隆】