「御身拭」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年9月17日 (月) 00:25時点における版
おみぬぐい/御身拭
本尊または祖師像を拭い清める行事。奈良東大寺大仏や西ノ京薬師寺の行事が有名である。知恩院では毎年一二月二五日、大殿安置の御影を宮殿より下ろし、加行僧らが念仏する中で門跡自らが払拭する。使用した白羽二重の布は袈裟に仕立てて篤信者に頒与される。師走の京の風物詩の一つとして名高い。嵯峨清凉寺では毎年四月一九日(もとは三月)、生身釈尊と尊崇される本尊を、嵯峨引声念仏の双盤と太鼓の響く中、苔寺(西芳寺)から送られた水を用いて掃拭する。『清凉寺縁起』には黄牛に釈尊を拭った浄布を掛けて火葬したところ、往生の奇瑞が現れ、その得脱を願って太鼓と華曼が寄進されたという(仏全一一七・四八〇下)。その牛の命日にちなむ行事であり、清凉寺でも行事に使用された布は御身拭浄布として信者に授与されている。経帷子の起源とされる伝統行事である。
【参考】清水秀浩「浄土宗法式雑考八—経帷子の心得—」(『教化研究』四、一九九三)
【執筆者:清水秀浩】