「聞名得忍願」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:35時点における最新版
もんみょうとくにんがん/聞名得忍願
『無量寿経』に説く、阿弥陀仏の四十八願中第三十四願の願名。義寂は「音声摂益願」(『無量寿経述義記』中、恵谷隆戒『浄土教の新研究』四二三)、智光は「聴我名字証得無生願」(『無量寿経論釈』三、恵谷隆戒『同』四七七)、良源は「聞名必得無生法忍願」(『九品往生義』浄全一五・二〇)と呼ぶ。成仏したなら、あらゆる世界の衆生が自分の名号(阿弥陀仏)を聞いて、あらゆるものが不生不滅であると確信する智慧(無生法忍)と仏法を記憶して忘れない能力(深総持)を得るようにしたい、という願。梵本、『無量寿如来会』のそれぞれ第三十四願、チベット訳の第三十五願、『無量寿荘厳経』の第三十一願が対応する。『大阿弥陀経』『平等覚経』には対応する願がない。
【資料】道光『無量寿経鈔』四、義山『無量寿経随聞講録』上之三
【参考】香川孝雄『無量寿経の諸本対照研究』(永田文昌堂、一九八四)
【執筆者:齊藤舜健】