「帰元直指集」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:22時点における最新版
きげんじきししゅう/帰元直指集
二巻。明・宗本著。隆慶四年(一五七〇)の成立。宗本は明の天台の僧侶であった。一元と号し、また天衣とも号する。浙江四明の陳氏の家の生まれ。本書は「念仏正信往生」から「行願流通」まで九七編によって構成されている。智顗、永明延寿、王日休、子元、普度などの説も引きながら、事と理の両面から専ら浄土往生を求めることを説く。その中には不殺生戒、放生等の修行を述べながら、参禅と浄土の修行の難易を論じ、特に信・願・行を具足して浄土へ往生することを主張する。また儒教・仏教・道教三教の因果律も引きながら、善行こそが往生のための善因、福であり、浄土に往生した者は不退転位の果を得ることを説いている。
【所収】続蔵六一
【参考】藍吉富他編『中華仏教百科全書』(中華仏教百科文献基金会、一九九四)、望月信亨『中国浄土教理史』(法蔵館、一九四二)
【執筆者:肖越】