「和讃」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:35時点における最新版
わさん/和讃
一
日本語による仏教讃歌の一種。インドの梵讃、中国の漢讃に対し、和語による讃歌という意味で名づけられた。内容は、仏・菩薩の功徳や教法、高僧などの教えや行跡を褒め称えたもので、形式は、七五調四句を一連として構成される。古くは奈良時代の「法華讃歎」などが、その原型と考えられるが、平安時代中期「讃歎」の流行を受け成立、定着した。代表的なものとして千観の「極楽国弥陀和讃」や伝源信の「来迎和讃」などがあり、その多くが平安中期の叡山の浄土教の影響を受け流布したものである。その後、和讃は広く民衆の間に広まり、仏教の布教だけでなく、日本の音楽にも大きな影響を与え、民謡や歌謡などの歌唱法にその形跡が見られる。
【執筆者:和田典善】
二
吉水流詠唱において、五・七・五・七・七の和歌に節付けした詠歌に対し、リズミカルな七五調に節付けしたもの。「光明摂取和讃」、「地蔵和讃」、「来迎和讃」などがある。現在「いけらば念仏和讃」の歌詞が法然作の唯一の和讃。
【執筆者:松濤基道】