「滅罪劫数義」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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めつざいこうすうぎ/滅罪劫数義
一巻。隆寛著。建暦元年(一二一一)成立。『弥陀本願義』と同じく、隆寛の浄土教関連の書物としては比較的初期の撰述である。『長西録』等の浄土教目録にはみえないが『散善義問答』には本書の書名が記載されている。本書は昭和一〇年(一九三五)、大須賀秀道により豊前の正行寺において発見される。『観経』に説かれる一念滅罪の問題に関して論じた書物。『観経』下品下生には一念の力で八十億劫の罪を滅するとするが、それにはどのような意味があるか、また下上品の五十億劫と下下品の八十億劫について、どのように会通するべきかを論じる。現存する写本は、文明九年(一四七七)長楽寺流の隆秀の書写本を了祥が影写したものである。
【所収】『隆寛律師の浄土教 遺文篇』、『隆寛律師全集』
【参考】戸松憲千代『滅罪劫数義』の本文及び其解説」(『大谷学報』二〇—一、一九三九)
【執筆者:伊藤茂樹】