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「本願念仏燧囊」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:33時点における最新版

ほんがんねんぶつひうちぶくろ/本願念仏燧囊

二巻。関通述。元文二年(一七三七)草稿、寛保三年(一七四三)刊行。そもそも題名の「燧囊」とは火打ち道具を入れて持ち運ぶための袋のことであり、本書中に「十方衆生のかたより、助給へと思ふ石をもて、南無阿弥陀仏の鉄にうち合しぬれば、その声に附きて、往生無生の火を得るなり」(『雲介子関通全集』一・七)とあるように、念仏往生を火打ちに喩えて、その往生の火を得るための要義が納められているという旨の書物。その内容はひたすら本願念仏の趣意が平易に述べられており、自得章第一、第二、第三と讃歎章の全四章からなる。自得章においては善導法然から聖光良忠にいたるまで浄土祖師の書物を引用して本願念仏の主旨を様々に述べ、讃歎章においては様々な引用によって本願念仏の教えが優れていることを説いている。多くの弟子を持つ捨世僧関通の代表的教義書である。なお、本書を関通自らが註釈した『燧袋俚語』四巻がある。


【所収】『雲介子関通全集』一


【参照項目】➡関通


【執筆者:兼岩和広】