「念仏為先」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:31時点における最新版
ねんぶついせん/念仏為先
極楽浄土に往生するための行業については、称名念仏を第一・最要とするということ。『選択集』の巻頭に、法然の直筆で書名とともに記された「南無阿弥陀仏 往生之業 念仏為先(往生の業には念仏を先とす)」(聖典三・九七)による。聖光は『徹選択集』上に、法然の「慧心先徳の『往生要集』の文を披くに、往生の業には念仏を本とすと云えり。また慧心の『妙行業記』の文を見るに、往生の業には念仏を先とすと云えり」(聖典三・二八五)との文を伝えている。法然は善導の一心専念の文と出会った後に、源信がやはり念仏一行を往生業の「先」「本」と位置付けているのを見て、念仏往生への信を深めたという。聖光はまた「往生極楽の為には、この南無阿弥陀仏の口称念仏を以て、第一の行とす。この義を顕さんが為の故に、註に往生之業念仏為先と云うなり」(聖典三・二六〇)と説明し、良忠は「為先と言うは前後を云うにはあらず。往生の行の中に念仏最要なり。故に為先と云う」(『決疑鈔』浄全七・一九〇下)と解釈している。
【執筆者:齋藤蒙光】