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じっしゅくよう／十種供養

経巻供養するための一〇種類の供具。『法華経』法師品に説く、華・香・瓔珞ようらく・抹香・塗香ずこう・焼香・繒蓋そうがい・幢幡どうばん・衣服・伎楽をいう（正蔵九・三〇下・三一上）。『翼賛』では繒蓋と幢幡を一つにし、そこに合掌を加えて一〇種の具とし、この儀が如法経書写供養の定まった式としている（浄全一六・一九五上）。『四十八巻伝』九には如法経供養のときに書写が終わって十種供養を行い、伝供でんぐしている間に十天楽じってんらくを奏したことを記している（聖典六・一〇〇）。転じて、大会のときに一〇種類の供養物を献じることで、生菓子・干菓子・水菓子・乾物・野菜などの精進供を一対にして一〇種類供える。増上寺御忌会では百味講が献供を行っている。

【参照項目】➡精進供、供養

【執筆者：西城宗隆】