「功徳」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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くどく/功徳
修行や善行によって身に付くすぐれた特性、あるいはものごとに具わっているすぐれた功能や利益、さらには利益をもたらす善行のこと。ⓈguṇaⓈpuṇyaⓈanuśaṃsaなどの訳語。徳、福徳、勝徳などともいわれる。功徳には特性、功能、善行といった意味がある。たとえば、仏の具える特性である十八不共法を仏功徳、八つの特性を具える水を八功徳水という場合の功徳は特性を意味し、『無量寿経』の「かの仏の名号を聞くことを得ることあって、歓喜踊躍して、乃至一念せんに、まさに知るべし、この人、大利を得たりとす。すなわちこれ無上の功徳を具足す」(聖典一・二八四/浄全一・三五)とあるのは功能や利益を意味する。また念仏の功徳などという場合の功徳も、功能や利益を意味する用例といえる。善行を意味する功徳は、たとえば『一百四十五箇条問答』に「生きて造りそうろう功徳はよくそうろうか」(聖典四・四五八)と述べられる功徳であり、「功徳を積む」という場合の功徳もこれにあたる。この功徳はただの善行ではなく、これを修めることで、将来良い果報がもたらされるような善行である。
【資料】『俱舎論』智品
【参照項目】➡一念大利無上功徳、三種二十九句荘厳功徳、福徳、無上功徳、利益、念仏利益、功能
【執筆者:石田一裕】