「嘉誉」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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かよ/嘉誉
よきほまれの意。善導の『観経疏』散善義に、「もし念仏する者は、すなわちこれ人中の好人、人中の妙好人、人中の上上人、人中の希有人、人中の最勝人なり」(聖典二・三二三/浄全二・七一上)と説かれている好人・妙好人・上上人・希有人・最勝人の五種である。すなわち末法の五濁悪世において、往生を願って念仏を称える者は、あたかも泥中に咲く白蓮華にも似て、尊くまた名誉ある人であることを五種の嘉誉をもって表現する。これを受けた法然は、『選択集』一一において、「およそ五種の嘉誉を流え二尊の影護を蒙る。これはこれ現益なり。また浄土に往生して乃至成仏す。これはこれ当益なり」(聖典三・一六四/昭法全三三八)として、念仏には現世と来世においてともに利益があり、念仏人は現世に五種の嘉誉をそなえた者であると説いている。なお、浄土宗では五祖の定慧から用いられる法号の一つに誉号があるが、この嘉誉がその起源となっている。
【執筆者:齊藤隆信】