「袱紗衣」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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ふくさえ/袱紗衣
法衣の一種。荘厳服の一つ。服紗衣とも書く(「法服条例」〔宗規第六〇号〕、大正二年)。法衣には、荘厳服と通常服とがあり、荘厳服には、長素絹・半素絹・道具衣・袱紗衣がある。道具衣は仏道にふさわしい様相を具えた法衣である意を表していう。袱紗衣は近世になって用いられた語であり、道具衣としての直綴でなく、略服としての直綴を指すもので、袖巾・袖丈などが小さく、飾り紐もつけられていない、式正(熨斗目の小袖)でない直綴を袱紗衣と称した(『法衣史』一七一、雄山閣出版、一九七四)。色衣のなかで裾が一二襞の法衣を袱紗衣とし、同じ一二襞の茶色・黒色の壊色の法衣を直綴という。腰に飾り紐があり裾が八襞の色衣を道具衣といい、袖裏地が全部であるものを本道具衣、半分になっているものを半道具衣という。御忌大会の唱導師は、道具衣・大衣とあり、道具衣より略式の法衣である。【図版】巻末付録
【執筆者:藤倉泰弘】