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餓鬼壇

提供: 新纂浄土宗大辞典

がきだん/餓鬼壇

施餓鬼会で用いられる壇。道場内に設置される五如来壇に対して、道場外に設置する餓鬼に施すための壇をいう。俗に餓鬼棚、施食棚ともいう。餓鬼に飯食を施すために、堂外(回廊・外縁等)に壇を設ける。壇上には餓鬼衆生の牌を置き、中央に飯・浄水を供え、飯上に五輪幡および小幡を立てる。諦忍『盆供施餓鬼問弁』(明和六年〔一七六九〕三四ウ)には「施餓鬼の棚は三尺より高くすること勿れと古来より口伝なり」とあり、壇の高さは三尺(約九〇センチ)以下としている。また餓鬼が恐れる樹木とされる桃、ザクロ、過去仏の菩提樹とされる柳の下を避けるのが心得であると記されている。書院の縁先などに餓鬼に施すために石造の生飯さばだいが設置され、多くの寺院に遺物が確認できる。施餓鬼を行うことから五如来壇を施餓鬼壇と呼び習わし、混同していることが多いので留意すべきである。


【資料】『施餓鬼儀軌並弁誤』


【参照項目】➡生飯施餓鬼施餓鬼壇


【執筆者:大澤亮我】