はち/鈸
西洋楽器のシンバルに似た打楽器。施餓鬼会で転座するとき、また葬儀式、庭儀式などで用いる。同形同大の金属製円盤二枚一組からなり、円盤の丸い隆起部分中央に穴を設け、指をかける円座のついた房紐を通す。親指と人差指の間に円座紐をはさみ、胸の両側に持ち、胸の前で相互を打ち合わせる。西域方面より伝来した楽器で、伎楽などに使われた銅鈸子が大きくなり法具に取り入れられた。古来、銅抜、銅跋、銅鈸などの字が当てられた。鐃とともに用いられるので「鐃鈸」と併称されることも多い。舞楽の迦陵頻の舞人は、銅拍子(小さな鈸)を持って舞う。
【参照項目】➡合鈸、鐃
【執筆者:八木千暁】