かりょうびん/迦陵頻
雅楽の曲名。迦陵頻伽の略称。唐楽。壱越調。この曲は天平時代、婆羅門僧正と僧仏哲により伝えられたという林邑楽の一つ。舞は児童が四人で舞う童舞。挿頭をつけた天冠をかぶり、背に鳥の羽形に作ったものをつけ、手に持った銅拍子を打ちながら舞う。番舞は胡蝶。古くは大法会のおり、十種供養などと合わせ供養舞として舞われたこともある。狛近真『教訓抄』四に「この曲は天竺祇園寺供養の日、迦陵頻来たりて舞儀するに、時しも妙音天この曲を奏し給う。阿難これを伝えて流布し給う」(『覆刻日本古典全集』現代思潮社、一九七七)とある。
【参照項目】➡迦陵頻伽
【執筆者:八木千暁】