追善法要
提供: 新纂浄土宗大辞典
ついぜんほうよう/追善法要
精霊(亡き人)の冥福を祈り、仏果の増進を願って生存者が善根功徳を積み、その功徳を精霊に振り向ける追福修善の法要のこと。その追善行を追善供養・追善回向ともいう。善根を修すことは誦経・写経・講説・施斎等の徳行や造像・造寺・造塔・財物・法具の喜捨等の財施供養であった。現在では年忌や命日・彼岸などに香華・茶菓を供え、塔婆を建立し、誦経供養した功徳を志す精霊に回向する法要が一般的になっている。『法要集』には「位牌を回向壇上に安置し」(上・九六)とあり、本尊前とは別に位牌を安置するよう指示している。追善法要は精霊のために誦経するのではなく、念仏や誦経などによって本尊供養を行い、その善根功徳を志す精霊に回向するのである。浄土宗では、念仏をもって最高の追善行とする。
【資料】『徒然草』二二二、福田行誡「過去帖の序」
【執筆者:中村瑞貴】