めいご/迷悟
迷いと悟り。迷とはものごとの真理に暗く、無常の世界であるこの世界をあたかも常住であるかのように妄念をもって執着してしまうことであり、悟とは迷いの世界から離れ真理を明らかにした状態。このように迷いを転じて悟りを開くことを転迷開悟という。仏教では地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人・天の六道を迷界、仏の境地を悟界としており、仏道修行によって迷界を脱して悟界に達することを目的とする。また禅宗では迷に自性はなく悟もまた空であるから、迷いも悟りも別物ではないとして迷悟不二といい、迷悟に区別をつけること自体が執着であるとしている。
【執筆者:石上壽應】