護符
提供: 新纂浄土宗大辞典
ごふ/護符
神仏の加護により、さまざまな災厄から身を守るための呪符で、御符とも書く。道教や仏教、神道をはじめ民間信仰などで広く行われる。御札・御守・護身符・秘符・霊符などとも呼ばれ、神仏の姿や名号、呪言や経文あるいは種子や符号などを木片や紙片に書き、家の門口や柱に貼ったり、身につけたり、飲んだり、仏壇や神棚に納めたりと、用い方も多様である。起源は古く、中国では秦代(紀元前三世紀)の竹簡(湖北省雲夢県出土)に旅の無事を祈願したと考えられる「禹符」があり、馬王堆漢墓出土の「五十二病方」には、符を焼いた灰で蠱病を治す用例がみられる。日本では古代の木簡に道教の呪言「急々如律令」や北極星を神格化した「天罡」を記した例があり、「蘇民将来子孫之守」や、熊野比丘尼らが広めた「牛王宝印」などは、現在まで全国各地で伝承されている。
【執筆者:増尾伸一郎】