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続本朝往生伝

提供: 新纂浄土宗大辞典

ぞくほんちょうおうじょうでん/続本朝往生伝

一巻。大江匡房おおえのまさふさ著。康和三年(一一〇一)から同六年までの成立。書名は慶滋保胤よししげのやすたね日本往生極楽記』の続編であることをあらわし、四二名の往生人伝を収載する。冒頭に一条天皇・後三条天皇伝を配し、天皇も人界の一員であり、輪廻転生する存在であると位置付ける。大江匡房浄土信仰の特色は、八幡信仰との強い結合にあるが、真縁伝には八幡の本地が無量寿如来であることを明かしている。これは八幡の本地が阿弥陀仏とする説の初出である。いわゆる悪人往生譚も、源章任と源頼義の二話が収載され、以後の四往生伝のすべてに悪人往生譚が掲載される契機となった。


【所収】続浄一七、仏全一〇七、『群書類従』五、『日本思想大系』七(岩波書店、一九七四)


【参照項目】➡大江匡房日本往生極楽記


【執筆者:吉原浩人】