洪鐘偈
提供: 新纂浄土宗大辞典
こうしょうげ/洪鐘偈
洪鐘を撞くときに唱える偈文。「願此鐘声超法界 鉄囲幽暗悉皆聞 三途離苦生安養 一切衆生成正覚」。『諸回向宝鑑』には、「鐘を打つ時唱念すべき文」(二・二八ウ)として掲載されている。願わくはこの鐘の音が法界に響きわたり、この世界の一切衆生が三途の苦しみを離れて、極楽に生まれ、さとりの境地にいたることができますように、という大意。十方世界の衆生に法要の勤修を告げたり、日常の時刻の合図として用い、鐘を撞くものは三宝を礼してから合掌し、捨鐘三下してから偈文を唱え、一八下撞きおわって息椎を二下する。
【参考】『勅修百丈清規』六(正蔵四八・一一四四下)
【参照項目】➡捨鐘
【執筆者:田中康真】