ちてん/智典
—文久三年(一八六三)五月二三日。憲蓮社章誉真阿如実。増上寺六五世。生国・氏姓は不詳。川越蓮馨寺三五世、飯沼弘経寺六四世、鎌倉光明寺九〇世を経て、天保一五年(一八四四)七月、増上寺六五世となる。在山中、広大院はじめ将軍六親の導師を相次いでつとめる。また、大奥松の御殿が寄進され方丈の隣に再建。崇源院御霊屋・安国殿本坊など御霊屋や山内諸堂社の整備を行う。嘉永三年(一八五〇)二月五日江戸の大火で山内寮舎五八宇が類焼したが、幕府の援助により年内に山内修理は完了した。
【資料】『三縁山志』(浄全一九)
【参考】『大本山増上寺史・本文編』(大本山増上寺、一九九九)
【執筆者:中野真理子】