仏・菩薩が衆生を教え導き、苦しみから救済すること。摂取化益せっしゅけやくの略。教化に同じ。仏・菩薩が衆生を摂化する具体的方法として四摂事がある。浄土教では常没流転し苦しんでいる衆生が称名念仏によって阿弥陀仏の教化救済を受けることをいう。妙瑞の『鎮西名目問答奮迅鈔』四に、「光明は是れ義の故、第十二願を指すなり。名号は是れ名の故に第十八願を指すなり。其の名義具足して不捨の益有るが故に摂化十方と云う」(浄全一〇・五四二上)とある。
【参照項目】➡光明名号摂化十方、四摂事
【執筆者:遠田憲弘】