師秀説草
提供: 新纂浄土宗大辞典
もろひでせっそう/師秀説草
一巻。法然述『逆修説法』の異本の一つ。京都法然院所蔵のものと、その写本と見られる東京通元院所蔵のものがある。名称の由来は、法然が安楽房遵西の父・中原師秀に説法した記録であることによる。文体は経典等の引用文を除けば和文体。奥書を見ると、後の増上寺三四世・雲臥による書写とあるが、これは雲臥の自筆ではなく、江戸時代中期に雲臥系の人物によって書写されたものと推測されている。『漢語灯録』にはない真観房感西を導師とした「七七日」の記載がある。
【所収】『浄土宗典籍研究 資料篇』(藤堂恭俊博士古稀記念会、一九八八)、宇高良哲『〈逆修説法〉諸本の研究』(文化書院、一九八八)
【参照項目】➡逆修説法
【執筆者:安孫子稔章】