そんしゅうほっしんのう／尊秀法親王

嘉永四年（一八五一）三月二六日—明治九年（一八七六）五月二四日。最蓮社真誉。幼名は隆宮。伏見宮邦家親王の皇子、母は藤原景子。知恩院門跡七世。嘉永五年（一八五二）知恩院宮七代を相続し、安政三年（一八五六）六歳で知恩院に入る。万延元年（一八六〇）孝明天皇の養子、同年徳川家茂の猶子となり、同年親王となる。宣名は博経。翌文久元年（一八六一）知恩院七二世荘誉浄厳を戒師に入室得度。同二年法然六五〇回忌勅会の導師を勤める。元治二年（一八六五）日光山勅会参列、引き続き増上寺で修学。二品ほんに叙せられ、慶応三年（一八六七）に帰洛。幕末維新の騒乱のため法親王自ら大政に参画した。しかし、同三年の詔みことのりによって諸宗の法親王は還俗を命じられ、同四年に尊秀法親王も還俗し華頂宮博経親王と改称、新政府の議定職に就いた。明治二年（一八六九）、宗政寺務を七三世名誉学天に委任し、博経親王は東京へ移住した。これをもって七代二六〇余年続いた知恩院宮は廃絶した。博経親王は同三年アメリカ合衆国に遊学し、同六年帰国。同九年二六歳で示寂。

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【参考】『華頂誌要』（浄全一九）、『知恩院史』（知恩院、一九三七）

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【執筆者：笠島崇信】