回旋譜
提供: 新纂浄土宗大辞典
かいせんふ/回旋譜
声明譜の記譜法の一つ。解旋譜とも書く。目安博士をより図像化したものから発展した方法で、洋楽の五線譜のように五音を当てて旋律形を線描で表記したもの。天台宗の中山玄雄(一九〇二—一九七七)が横書に図解する方法を考案したとされる。昭和三八年(一九六三)の『天台常用声明』において正式に用いられ、声明の墨譜を曲線図化し洋楽譜と対照し声明の修得に役立てられている。以降、各宗においても声明の修得に用いられている。この回旋譜は、曲線的に動く旋律の多い祖山流声明を記すのに適している。浄土宗でははじめ天台宗と同じ等間隔の回旋譜を用いたが、宍戸栄雄がその五音の幅を明確に理解できるように工夫を加え浄土宗独自の回旋譜を考案した。知恩院の『御忌大会差定』には、墨譜と回旋譜を掲載している。
【資料】中山玄雄『天台常用声明』、宍戸栄雄『浄土宗声明集』(一九八七)
【執筆者:大澤亮我】