祖山流声明
提供: 新纂浄土宗大辞典
そざんりゅうしょうみょう/祖山流声明
知恩院伝承の声明。祖山系声明または祖山声明ともいう。浄土宗では知恩院を祖山と称するのでこの名がある。増上寺伝承の縁山流声明に対していう。天台宗の多紀道忍は三上人大遠忌声明墨譜(昭和一二年)はじめ『法事讃』と『法要集』(昭和一四年版)に参画し、中山玄雄も七五〇年大遠忌声明墨譜(昭和三六年)と開宗八百年慶讃声明墨譜(昭和四九年)に参画したなどの経緯がある。祖山流声明は天台声明との関わりが強く、声明譜もほぼ同一であり、現在も天台宗の声明師から唄伝授を受けている。知恩院御影堂等の広い堂内で響き渡るように、大海原のうねりのように緩やかに音を上下する「ゆり」が特徴である。
【参考】『浄土宗声明集』(知恩院、二〇一〇)
【参照項目】➡声明
【執筆者:編集部】