回向師
提供: 新纂浄土宗大辞典
えこうし/回向師
結縁五重と結縁授戒の常回向と日別回向、贈五重・贈戒牒の回向をする僧侶。諸法要・伝法などの諸作法や注意事項などを指導する役職。五重授戒における法式権威者がこの職にあたる。回向師の主たる役目は贈回向であり、関西地域では足揃え式から入行式までの解説進行をはじめ、伝灯師・総監・執持寺院との意見の調整役である。剃度式や正伝法・正授戒などの道場では、総監と協力して伝灯師・伝戒師の指南役、および殿司・座検・受者係の指導統括も行う。関東地域の五重・授戒では教授師がこの任にあたっている。
【参考】清水秀浩『浄土宗声明攷』(法楽寺、一九九八)、『五重相伝会・授戒会回向文語句集』(浄土宗滋賀教区甲賀組青年会、二〇〇四)
【参照項目】➡教授師
【執筆者:清水秀浩】