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四道

提供: 新纂浄土宗大辞典

しどう/四道

煩悩を消滅させて、涅槃に入るための四段階の道。Ⓢcaturvidho-mārgaの訳。『俱舎論』二五(正蔵二九・一三二上)などによれば、この四段階の道とは、①加行けぎょうどう(Ⓢprayoga-mārga)。見道けんどうなどの聖位に入る前の善根しぜんこんなんちょうにん世第一法せだいいっぽう)などの予備的修行の道。②無間道むけんどう(Ⓢānantarya-mārga)。見道修道しゅどう以上の聖位における煩悩を直接消滅させる道。『婆沙論』(正蔵二七・三下)などでは先の加行道を方便ほうべんどう、この無間道を無礙道むげどうとも称する。③解脱道(Ⓢvimukti-mārga)。煩悩から解脱したことによって生じる無学道むがくどうにおける道。④勝進道(Ⓢviśeṣa-mārga)。解脱の後にさらに優れた徳を引き起こすための道、のこと。


【参考】櫻部建・小谷信千代『俱舎論の原典解明 賢聖品』(法蔵館、一九九九)


【執筆者:榎本正明】