世間の評判や名声を求めたり、財を貪り私腹を肥やしたりすること。名誉欲と財欲のこと。略して名利とも言う。法然は『十七条御法語』において「雑毒虚仮等は、名聞利養の心也」(昭法全四七〇)と説き、真実心に対する虚仮心のこととして誡むべきであると説く。また多くの経論等においてこの名聞利養は仏道修行の妨げとなる悪業として説かれ、それを目的とした学問や修行を誡めている。
【執筆者:兼岩和広】