参籠
提供: 新纂浄土宗大辞典
さんろう/参籠
寺院や神社に参詣するときにその境内で一定期間、世間との交際を絶ち、精進潔斎し、礼拝・誦経などの修行生活を送ること。法然の母秦氏は、一子の誕生を願い、岩間山本山寺に参籠したところ、剃刀を吞み込む夢を見て子を宿したとある(『法然上人秘伝』上、浄全一七・一九下~二〇上)。また、親鸞は、京都の六角堂に一〇〇日間参籠し、九五日目に聖徳太子の示現を得て法然をたずね浄土門の教えに入った。一遍は、熊野本宮証誠殿に参籠した際に、熊野権現の本地阿弥陀仏の夢告を受け、「信不信を選ばず、浄不浄を選ばず、その札をくばるべし」と告げられ名を智真から一遍に変えたといわれている。
【参照項目】➡籠り
【執筆者:工藤美和子】