勧学会
提供: 新纂浄土宗大辞典
かんがくえ/勧学会
平安時代、紀伝道(律今制の大学寮において歴史や漢文を教えた学科)の学匠と叡山の僧侶が各二〇人で共に催した浄土教系の法会。康保元年(九六四)三月に初めて慶滋保胤、藤原在国、源為憲らによって行われた。叡山坂本や京洛の寺院において三月・九月の一四日・一五日に『法華経』を講じ、経の文句を課題にして詩を作り、朝に題目、夜に念仏を行った。第一期は寛和二年(九八六)の保胤の出家により、二十五三昧講へ発展的に解消したとされる。第二期は寛弘年間(一〇〇四—一〇一二)に、藤原道長の援助により法興院において復興した。第三期は長元年間(一〇二八—一〇三七)天台座主慶命の主唱により、随願寺において復活した。また鎌倉時代以降、近畿諸大寺などで、僧衆の学道を勧めるために経論祖釈を講讃し論義する法会が行われ、勧学会とも勧学講ともいった。
【参照項目】➡二十五三昧会
【執筆者:池見澄隆】