伝衣式
提供: 新纂浄土宗大辞典
でんねしき/伝衣式
法脈伝授の証として、師匠から弟子に袈裟を授ける儀式。法嗣伝衣式ともいう。浄土宗では晋山式中に、前住職から新命に「伝衣」を授ける式。晋山式では、新命が本堂へ入堂後外陣で辞令を受け、その後伝衣などを受け、仏前に進み焼香をして、本座に着くこととなっている。釈尊が正法眼蔵無上大法を摩訶迦葉に伝えるときに、金襴の袈裟を伝法の証として伝えたとされている。その金襴の袈裟を伝衣という。転じて、伝法・嗣法と同じ意味に用いられるようになった。その寺に代々伝えられている袈裟(伝衣)・過去帳・伽藍譜等を授けて、可視的に嗣法した儀礼をいう。知恩院では、二五日の御当日導師が、門跡より御忌伝衣の袈裟(重源将来という霊巌の遺具)を伝えられる作法を受けて厳修している。
【執筆者:伊藤正芳】