ちゅうしゅくえ/中宿衣
五条袈裟(安陀会)の別称。中著衣・内衣・下衣、道行衣・院内道行雑作衣ともいう。『一切経音義』では「安陀会、或いは安怛羅婆沙、これ云わく中宿衣なり。謂わく、身に近く住するなり」(正蔵五四・一一七一中)といい、もっとも下に着ける下着を指した。肌着であった五条は、中国・日本に至って法衣の上に着ける大師五条・威儀細・種子衣のように変形・荘厳衣化された。『四分律行事鈔資持記』下一には、「五条の下衣は貪身を断ずるなり。七条の中衣は瞋口を断ずるなり。大衣の上衣は痴心を断ずるなり」(正蔵四〇・三六〇中)と、三衣の功徳を説いている。
【参照項目】➡安陀会、五条袈裟、三衣一鉢、袈裟
【執筆者:西城宗隆】