三随順
提供: 新纂浄土宗大辞典
さんずいじゅん/三随順
仏の教えにしたがい、仏の意にしたがい、仏の願にしたがうこと。善導『観経疏』には「深信とは、仰ぎ願わくは一切の行者等、一心に唯仏語を信じて、身命を顧みず、決定して依行せよ。仏の捨てしめたまう者をばすなわち捨て、仏の行ぜしめたまう者をばすなわち行じ、仏の去らしめたまう処をばすなわち去れ。これを仏教に随順し、仏意に随順すと名づけ、これを仏願に随順すと名づけ、これを真の仏弟子と名づく」(聖典二・二八九~九〇/浄全二・五六下)と説かれている。法然はこれを釈尊の教え、阿弥陀仏の誓願、二尊の意と解釈し、異学異解のところを去って専修念仏を行ずる者を真の仏弟子としている。良忠は、釈尊の教説、六方諸仏の証誠の意、阿弥陀仏の誓願と解釈している。
【資料】『往生大要抄』(昭法全)、『伝通記』(浄全二)
【執筆者:吉水岳彦】