ろっぽうしょぶつ/六方諸仏
東・南・西・北・下・上の六方の仏国土において阿弥陀仏の本願の誤りなきことを証明する諸仏のこと。例えば、東方世界の阿閦鞞仏、南方世界の日月光仏、西方世界の無量寿仏、北方世界の焰肩仏、下方世界の師子仏、上方世界の梵音仏などである。羅什訳『阿弥陀経』の後半部分に登場し、この部分を六方段という。この六方諸仏は、菩提流支訳『仏名経』とほぼ完全に相当する。
【参考】望月信亨『浄土教の起原及発達』(共立社、一九三〇)、藤田宏達『原始浄土思想の研究』(岩波書店、一九七〇)、柴田泰「『阿弥陀経』六方諸仏の異名」(印仏研究二三—二、一九七五)
【参照項目】➡阿弥陀経、諸仏証誠、六方段
【執筆者:薊法明】