三上人研究
提供: 新纂浄土宗大辞典
さんしょうにんけんきゅう/三上人研究
佛教大学三上人御遠忌記念出版会編。昭和六二年(一九八七)一二月、三上人御遠忌記念出版会刊。正式には『源智・弁長・良忠三上人研究』。佛教大学において聖光と源智の七五〇年、良忠の七〇〇年遠忌を迎えるにあたり、三上人の遺徳を偲び報恩の一端として出版された論文集。伊藤唯眞「源智勧進の念仏結縁交名より見たる法然教団について」、坪井俊映「二祖三代定判説の形成について」、髙橋弘次「聖浄兼学の精神—聖光の学問的性格をめぐって—」、藤堂恭俊「善導の一経両宗説に関する良忠の領解」など、一五点の論文が所収されている。巻末に資料として、聖光の弟子である聖護房仮託で写本のみが伝えられている「鎮西略要伝」(大正大学蔵)の翻刻、良忠の伝記の中でも最も古く信憑性が高いといわれている慶安四年版「然阿上人伝」の翻刻、また本書収録の三上人関係の論文を網羅した「三上人関係著述文献目録」が収録されている。
【執筆者:沼倉雄人】