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就人立信

提供: 新纂浄土宗大辞典

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じゅにんりっしん/就人立信

自分以外の人格によって自己の信心を確立すること。善導観経疏散善義、深心釈の信機・信法を説く中で就行立信と並べ説かれる(聖典二・二九四/浄全二・五八下)。はじめに阿弥陀仏本願釈尊の勧説、諸仏の証誠によって極楽往生への信心を立てることを説き、次に、逆に解行不同として別解・別行異学・異見・異執の人、地前の菩薩、地上の菩薩、他仏という四種の人格(四重の破人)から、念仏では極楽往生はできないという非難を受けたとしても、それを聞き入れることなく乗り越え、己の信心を確立することを説く。この順逆二種の人格によって信心を立てるのが就人立信である。法然は『選択集』八にこれを引用する。なお『観経疏』の文には、就人立信の始まりを示す標文がないため、本意となる「就人」の「人」について諸師の見解が異なっている。良忠の『伝通記散善義記一(浄全二・三八六下)によれば、就人立信の「人」には三種有ることが説かれ、一に四重破人解行不同の人、二に満足大悲の人、三に罪悪生死の凡夫の人であるが、善導の釈文では四重破人が義に親しいとしている。


【参照項目】➡就行立信深心信機・信法四重破人


【執筆者:兼岩和広】