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「五重廃立鈔」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:23時点における最新版

ごじゅうはいりゅうしょう/五重廃立鈔

上・中(本・末)・下の三巻(中巻を本末に分ければ四巻)。貞極述。悠高記。延享元年(一七四四)三月の跋がある。了山の請いにより、寛保三年(一七四三)一二月一五日より貞極が口述し、悠高が筆記した書。五重伝法について、諸説を批判しながら自説を主張し、『五重相承節要』と『五重相承私記』を著した後に五重と九箇条の伝目について論じている。上巻にはこの書の撰述の縁由を説き、中巻には五重の伝書一々について、下巻には九箇条の伝語について批判している。五重伝書については、初重『往生記』は義山の説を受けて偽書とし、二重の『授手印』袖書の要偈究竟大乗」の四句については聖光が自筆で綽阿に授けた「信仏本願」の四句には及ばないとし、第五重の十念伝については良忠が建立した方便であるとしている。また、前四重を捨てて偏に第五重を取る関東の流義や、初重と第五重を捨てる義山の流義を批判している。九箇条の伝語については、五重伝書中にないので無文であるとし、九箇条ごとに諸師の伝を挙げて、その無文の義を破し、文によって助釈するとして自説を主張している。後に福田行誡に影響を与え、行誡は明治二一年(一八八八)に『伝語』を著して、初重を『選択集』にするなどの伝法の改革を試みたが実現しなかった。


【所収】『四休菴貞極全集』上


【参照項目】➡貞極四休菴貞極全集五重相承私記伝語


【執筆者:原口弘之】