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五重相承私記

提供: 新纂浄土宗大辞典

ごじゅうそうじょうしき/五重相承私記

一巻。貞極撰。一説に宝永六年(一七〇九)成立。『五重相承節要』を著した後に、五重相伝における九箇条の伝目に関して、自己の意見にしたがって批判的に説明したもの。『五重廃立鈔』によれば、播磨国幡念寺の玄貞のために九箇の破文を対弁した後に、試みに反故ほごの裏に『私記』を書いたという。感誉流の九箇条の伝目、すなわち塗香ずこう焼香)・坐具・自証門・授手印五通五箇伝・口授・三種病人・未回心声聞・気息の各伝について解説し、巻末に加行について七箇条の心得を説いている。『五重廃立鈔』の前身書で、のちの『五重廃立鈔』では諸師の説を挙げて批評し論破しているが、この書は自説のみを述べたもの。


【所収】『四休菴貞極全集』上


【参照項目】➡貞極四休菴貞極全集五重廃立鈔


【執筆者:原口弘之】