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加行

提供: 新纂浄土宗大辞典

けぎょう/加行

努力すること、あるいは準備すること。ⓈⓅprayogaⓉsbyor。努力して修行によって得ることを加行得といい、これは生得(生まれつき具えていること)に対する語である。また加行加行道や加行位と呼ぶこともあるが、この場合には仏道実践の段階の一つを意味する。例えば『俱舎論』に「加行道とは、謂わく此れより後に無間道を生ずるをいう」(正蔵二九・一三二上)と説かれるように、煩悩を断ち切る準備段階を意味する。『釈浄土二蔵義』に「親しく無漏に入らんと欲して、功用くゆうの行を加る故に加行と云う」(浄全一二・四〇上)とあるのも同様である。このように加行仏道実践の段階を表すとともに、様々な行為の準備段階をも意味する。すなわち、ある行為をなすための計画や準備といった前段階をも加行といい、それが悪い行為であれば悪の加行、よい行為であれば善の加行という。浄土宗では特に伝宗伝戒のことを加行という。これは僧侶になるための準備期間を意味したものといえよう。


【参照項目】➡伝宗伝戒道場


【執筆者:石田一裕】