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提供: 新纂浄土宗大辞典

しゃく/笏

神拝の際、官人や神官が手に持つ長方形の薄板(笏)を二つに割った形の打楽器。知恩院では笏板しゃくいたといい、雅楽では笏拍子ともいう。束帯着用のときに、右手に持って威儀を整えたもので、字音の「コツ」が「骨」と同音となることを忌み、長さが一尺であることから「しゃく」と称した。いちいの木などで製作する。この笏を縦に割るようにして、左手に笏の切り口を上に向け、右手に笏の切り口を左にして打ち合わせて拍子をとる。知恩院では御忌逮夜法要笏念仏日中法要賛念仏の後の念仏一会と兼実忌の古式十夜会増上寺御忌などでは笏念仏引声阿弥陀経などで用いる。雅楽では神楽かぐら東遊あずまあそび大歌おおうた久米歌くめうたなどの儀式音楽と催馬楽さいばらで拍子(笏拍子の演奏者)が詠いながら打つ。『翼賛』五二には、大永の鳳勅によって御忌が毎年の法則が定められて永式となり、「笏拍子にて行道念仏する事あるも亦この故なり」(浄全一六・七八九下)と記している。


【参照項目】➡笏念仏


【執筆者:西城宗隆】