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真理運動

提供: 新纂浄土宗大辞典

しんりうんどう/真理運動

仏教、超宗派の仏教運動。正しくは全日本真理運動、通常真理運動ともいい、既成の仏教教団を離れ、仏教の現代における復興を唱えた。昭和九年(一九三四)一一月に友松円諦、高神覚昇を中心に、増谷文雄真野正順、江部鴨村、宮本正尊、松岡譲、梅原真隆、山辺習学、壬生照順などが加わって発足した。これら同人たちにはそれぞれの学問的・思想的立場があり、信仰上、伝統宗学に立つ者もいたので、当初から矛盾を包含していた。財政面は、参加会員の会費と出版による収益が当てられることになっていたが充分ではなく、友松の個人的出費と藤井栄三郎の寄付によった。この運動が始まった直後の同年一二月に友松の講演における指方立相解釈をめぐって問題が生じ、同志の梅原真隆は脱退。友松は戦後神田に神田寺を建て、一宗一派によらない寺にするため、浄土宗を離脱した。今日神田寺浄土宗にもどっているが、真理運動は二一世紀においてもその神田寺を中心に継続されている。


【参考】友松諦道・山本幸世編『人の生をうくるは難く—友松円諦小伝—』(真理運動本部、一九七五)


【参照項目】➡友松円諦神田寺


【執筆者:芹川博通】