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檀林順路記

提供: 新纂浄土宗大辞典

だんりんじゅんろき/檀林順路記

一巻。『浄土檀林巡路記』『浄土真宗檀林順路記』ともいう。摂門著。文政四年(一八二一)成立。関東十八檀林巡拝の手引書。屋代弘賢の「序」、摂門の「自序」、「凡例」、「豊誉大僧正御方の記の巡路」、「詠歌十八首」、「檀林巡路記」、「詠歌をとなふる時の回向文」、「心得の事」、「心におもひ念仏増進の心得」から構成され、芝神明前の和泉屋新八から刊行されている。また絵図を附している本もある。「豊誉大僧正御方の記の巡路」とは豊誉霊応が明和二年(一七六五)に刊行した『関東十八檀林巡礼記』(めぐらせたまへりし記)の抄出である。『巡路記』の順路は増上寺伝通院幡随院霊巌寺霊山寺大巌寺東漸寺大念寺常福寺、結城弘経寺飯沼弘経寺浄国寺勝願寺善導寺大光院蓮馨寺大善寺光明寺と巡拝する。また江戸の名刹寺院として天徳寺西岸寺誓願寺西福寺回向院本誓寺雲光院法禅寺を挙げ、また聖冏由緒寺院である高仙寺、誕生寺名越檀林円通寺蓮生れんせいゆかりの熊谷寺ゆうこくじが番外に指定されている。


【所収】石川達也「『檀林巡路記』〈翻刻〉」(浄土学四六、二〇〇九)


【参考】藤堂恭俊「法然上人遺跡二十五箇所巡拝に関して」(『東山学園研究紀要』一八、一九七三)、同「浄土宗内における祖跡巡拝について とくに『霊沢案内記』以降」(藤堂恭俊博士古稀記念会編『浄土宗典籍研究』同朋舎出版、一九八八)、伊藤唯眞「近世における法然上人遺跡巡拝について」(『仏教文化研究』二〇、一九七四)


【参照項目】➡関東十八檀林


【執筆者:石川達也】