天徳寺
提供: 新纂浄土宗大辞典
てんとくじ／天徳寺
東京都港区虎ノ門（西久保）。光明山和合院。東京教区№三三。浄土宗の江戸紫衣四箇寺の一つであった。天文二年（一五三三）捨世派の祖称念が、木野内宮内少輔の助力を受けて師の増上寺七世周仰を開山に迎え、江戸城紅葉山に天地庵として開創。同二三年後奈良天皇から「光明山天徳寺」の勅額を拝領して天徳寺となる。続いて紫衣の綸旨を得て天正一三年（一五八五）桜田霞が関に移転、さらに慶長一六年（一六一一）西久保に移り、別院一院に塔頭一五院を擁した。徳川家康および秀忠より朱印地五〇石を、元禄一一年（一六九八）には東山天皇から常紫衣の綸旨を賜る。宝暦一三年（一七六三）知恩院門跡五世尊峰法親王の増上寺入山の学寮となり、慶応三年（一八六七）には瓜連常福寺の檀林号を移して檀林を表した。
【資料】『浄土宗寺院由緒書』下（『増上寺史料集』七）、『浄土宗寺院調書』（浄全二〇）、『御府内備考続編』四八（『御府内寺社備考』三）
【参考】『知恩院史』（京都東山知恩院、一九三七）
【執筆者：野村恒道】