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勝願寺

提供: 新纂浄土宗大辞典

しょうがんじ/勝願寺

埼玉県鴻巣市本町。天照山良忠院。埼玉教区№一〇五。関東十八檀林の一。建長四年(一二五二)良忠開山という。天正元年(一五七三)頃清巌が現在地に移して再興。同一五年岩槻いわつき城主太田氏房が浄国寺を建立して清巌を招請したため、勝願寺不残に譲る。不残の活躍により、徳川家康から三〇石の朱印地をもらい、結城の城郭の一部を移して伽藍が整備された。慶長一一年(一六〇六)後陽成天皇から紫衣綸旨りんじを賜り、檀林寺院として伝法道場となる。六世源底は伊奈忠次の子息であったため伊奈家の菩提所となり興隆した。行事としては十夜法要(一一月一三日〜一五日)がある。これは関東三大十夜の一つで、塔婆供養を中心に行い、かつては近在の善男善女の参詣でにぎわった。


【資料】『鴻巣勝願寺志』


【参考】宇高良哲『関東浄土宗檀林古文書選』(東洋文化出版、一九八二)【図版】巻末付録


【参照項目】➡関東十八檀林


【執筆者:宇高良哲】